七大陸最高峰→六大陸最高塔 を考える

(2018/06/05)

山でいうと七大陸最高峰という言葉がある。
アジア大陸:エベレスト(中華人民共和国・ネパール、8,848m)
ヨーロッパ大陸:エルブルス山(ロシア連邦、5,642m)
北アメリカ大陸:デナリ(アメリカ合衆国、6,194m)
南アメリカ大陸:アコンカグア(アルゼンチン、6,959m)
アフリカ大陸:キリマンジャロ(タンザニア、5,895m)
オーストラリア大陸:コジオスコ(オーストラリア、2,228m)
南極大陸:ヴィンソン・マシフ(南極半島付近、4,892m)

ヨーロッパ州はモンブランとする場合もあるらしいが、考え方としてはそれぞれの大陸(大州)で最も高い頂(いただき)ということだろう。自分は登山には興味がないので登ってみたいとは考えないが、これを峰(サミット)ではなく塔(タワー)に置き換えたらどうなるのだろうか、と思った。
七大陸のなかで南極大陸は残念ながら除外するとして、残りはそれぞれどうなるのだろうか・・・

アジア大陸:上海中心(中国 上海、全高 632m、展望床 561.3m)
ヨーロッパ大陸:エッフェル塔(フランス パリ、全高 324m、展望床 276.1m)
北アメリカ大陸:CNタワー(カナダ トロント、全高 553.33m、展望床 447m)
南アメリカ大陸:グラントーレサンティアゴ(チリ サンティアゴ、全高 300m、展望床 61,62階部分)
アフリカ大陸:カールトンセンター(南アフリカ ヨハネスブルグ、全高 223m、展望床 50階部分)
オーストラリア大陸:ユーレカタワー(オーストラリア メルボルン、全高 297.3m、展望床 285m)

自分の調べたかぎりだと上記のようになるかと思う。

展望床最高度はブルジェ・ハリファを抑えて中国、上海の上海中心。非常に高度で周囲の高層ビルを見下ろす景観といい見ごたえ抜群だが、残念なことに中国の大気汚染の影響をもろに受けるため見晴らしが悪い日のほうが多い。

・アジア大州
2018年現在、完成している最も高いタワーはブルジュ・ハリファなのだが、展望床の高さでいうと上海中心に遅れをとっている。ブルジュ・ハリファの展望台は2層に分かれているが、比較対象としたのはThe Skyの148階(555m)。上海中心はそこより2階分ほど高い位置にある。ここではロシアはアジア大州に含めている。2018年現在でアジア州では更に高いタワーが建設を進められており、特にサウジアラビアのジッダタワーは完成すればタワー高では1,000mを超える超々高層タワーとなり、上海中心を抜きさる予定だ。

 

ヨーロッパ最高塔のエッフェル塔。(画像はwikipediaより)

・ヨーロッパ大州
意外と言うか、エッフェル塔が1位。ドイツの最高塔はベルリンテレビ塔で全高は368mとエッフェル塔より高いが展望床が204mとエッフェル塔の後塵を拝している。イギリスはロンドンの「ザ・シャード」があるが、全高310mだが展望床は244mとこれもエッフェル塔に僅かだが及ばない。全高では他にラトビアのリガ・ラジオ&テレビタワーの368.5mがあるが、こちらは展望床が97m地点とかなり低めになっている。

 

カナダトロントのCNタワー。展望床はエンパイアステートビルの全高とほぼ同じ高度にある。(写真はwikipediaより)

・北アメリカ大陸
高層建築物というとニューヨークの摩天楼のイメージが強いが、それらを抑えて1位となったのがカナダのCN(カナディアンナショナル)タワー。全高、展望床高共にCNタワーが1位で、続くのがアメリカ合衆国のウィリスタワー(全高442.1m展望床412.4m)、ワンワールドトレードセンター(全高541.3m展望床381m)、エンパイアステートビル(全高443m展望床381m)となっている。
CNタワー以外はビル型だが、塔型だとラスベガスのストラスフィアが全高350m。有名なスカイニードルが(全高184m展望床159m)でそれほど高くない。

 

チリのサンティアゴにあるグラントーレサンティアゴ。南半球でもオーストラリアのQ1に次いで高い。形状が香港のIFCに似ているように思える。展望デッキは「スカイコスタネラ」で2015年8月11日に公開開始。(写真はwikipediaより)

・南アメリカ大陸
日本語環境からだと情報量が非常に少なく、ここに掲載した情報が間違いないか今ひとつ確証が持てない。現時点での調べでは最高塔は複合商業ビルであるグラントーレティアゴの展望デッキ(スカイコスタネラ)で、64階部分で261mとなり、展望デッキは61,62階部分に設定されているので恐らく250m付近と考えられる。次点がベネズエラ、カラカスのセントラルコンプレックスにある展望台(全高225m、展望階は53階)。あまり高いタワーがない南米だが、塔型としてはブラジル、ブラジリアのテレビ塔(全高224m展望床75m)がある。

 

アフリカ最高塔のヨハネスブルグ、カールトンセンター。見た目は直立ビル型でまったく面白みが無い。展望デッキは「Top of Africa」という名前になっている。(写真はwikipediaより)

・アフリカ大陸
アフリカ最高塔は治安の悪さで有名なヨハネスブルグのカールトンセンターで、50階部分の展望デッキは全高に近い位置にあるので200m強あたりだと考えられる。すぐ近くにはヒルブロウ・タワー(全高269m)があり、カールトンセンターより高いがこちらは一般開放された展望台が無い。治安の悪さで有名になったポンテタワーもすぐ近くだが、こちらは全高173mで展望台も設置されていない。次点はエジプト、カイロのカイロタワーで全高187mだが、尖塔があるため展望台の位置は150m付近になる。

 

全高では同じオーストラリアのゴールドコーストにあるQ1の方が高いが、展望床でいうとこちらのユーレカタワーに軍配が上がる。展望デッキの名前は「スカイデッキ88」。

・オセアニア大州
オーストラリア、ニュージーランドなどが含まれる地域だが、展望床の高さとしてはユーレカタワーが1位。建物の全高だけでいうとニュージーランド・オークランドのスカイタワー(全高328m展望床220m)、オーストラリア・ゴールドコーストのQ1(全高322.5m展望床235m)、オーストラリア・シドニーのシドニータワーアイ(全高305m展望床220m)などが挙げられる。

こうやって見るとアジア圏が抜きん出ているのがわかる。展望床で最も高い上海中心や全高で世界一のブルジェ・ハリファ、サウジのクロックタワー。ロシアのオスタンキノタワーや韓国のロッテワールドタワー、台湾の台北101、日本の東京スカイツリーなど、質量ともに他の大州を圧倒している。
反対に思ったよりも低位置なのがヨーロッパ州だろう。展望床最高値なのがエッフェル塔と1889年完成のタワーで、それを超えるものがないという状況だ。これはヨーロッパが景観を重視してあまり高高度の建築物を好まないという傾向も影響しているのかもしれない。タワーの数としてはドイツの各地のテレビタワー等がありかなり多くなっている。