富士山は3776mの標高を誇るが、そこに約500m差の3200m地点まで車でアクセスできる公道が台湾にはある。それが今回訪れた武嶺だ。標高3275m地点のこの標識の場所まで車で行けるということで、レンタカーでさっそく行ってみた。
訪れた日はあいにく天候が悪く、雨の影響で濃霧となっていて視界がまったく晴れなかったため、一面白い世界の中というとても残念な結果に終わってしまった。
この武嶺に到達するには3つのルートがあるようだ。
1・国道8号を台中側からのぼってゆくルート
2・国道8号を反対の花蓮側からのぼってゆくルート
3・14号をのぼってゆくルート
今回は3の14号をのぼってゆくルートを選んだ。台中側でホテルをとっており、海外での運転ということもあり、もっとも安全性の高いルートを選んだつもりだった。
台中からは入り口となる町の南投県埔里鎮までは高速が通っているので時間も早くアクセスがとても楽だった。この埔里鎮には台湾の中心部という臺灣地理中心碑という場所があり、まずはそこに寄ってみた。何のことはない、ただの石碑があるだけの公園なのだが、一応ここが台湾の地理的中心地、へそということだ。
埔里 の街はそこそこ大きいらしく、Wikipediaでみてみると2016年の時点で8万人くらいの人口がいるらしい。
埔里をぬけるとこの先は高速ではなくなり、道幅も狭くなり、道もくねってきていよいよ山道という雰囲気になってくる 。 埔里のあともコンビニはいくつかでてくるが、上の仁愛郷というおみやげ物屋や宿が複数集まっているところを抜けると更に道が高山道路といった呈になってくる。
上の写真では閑散としている道路の風景だが、これが正月一日とかだと、初日の出を見ようとして えらい大渋滞になるらしい事をTVで映していた。この日は1月3日だが、天気の悪さもあいまってまるでサイレントヒルの世界観みたいな様相だったことを覚えている。
上の写真は翠峰という場所らしく、この地点で標高2309mの位置になる。道路の奥右手に緑色地の「 翠峰 」と書かれた看板があるのだが、霧が深く視認性がかなり悪い。この位置で2309mだが、ここからまだ最高標高点まで1000m近くもあるのだから骨がおれる。
ここから先はいよいよ道が悪くなってくる。道路幅も狭くなり、離合場所を利用してすれ違うような箇所がいくつもでてくる。上の写真ではあたり一面が霧のためよくわからないが、ガードレールの向こう側は崖になっていて、運転をミスってつっこめば間違いなく助からないであろう状態になっている。
山側は山側で礫がむき出しのような山肌が続いており、道路にもところどころ礫が落ちているので落石も当然気をつけなければならない。まあ、気をつけても落ちてきたらどうしようもないが。
翠峰の次のポイントは昆陽休息駅。天気がよい時の風景は以下のアドレスを参照。
「 昆陽休息駅 」
休息駅とはなっているが、ここは駐車スペースと展望スペースがあるだけ。トイレはぐるりとまわっても無いようにみえる。だが、ここまでくればあと一息。武嶺最高標高まで高さで200mほどまだ差があるが、車での移動ならそれほどかからない。ただし、ここより先は更に道が狭く、離合場所ですれ違いながら進むような感じになってゆく。
とうとう武嶺最高標高!3275m地点。こんな標高まで車でアクセスできるというのは感動だ。残念なのは、本当に残念なのは霧が深く、まったく眺望が見えない。残念だが、私の武嶺初挑戦は上のような天気のなか終わりを告げた。
さて、私は休みの都合上年末年始の長期休暇を利用して武嶺を訪れたが、結論から言うとこの時期はまったくお勧めできないらしい。まず天気が悪い日がおおいとのことだ。あと何より雪、凍結!台湾といえど、ここは標高3000m以上の世界。雪が降ることもあれば道路が凍結することもあるという。つまり車(自転車も同じ)でここ訪れるのはかなりリスキーだということだ。もしまた行くのなら夏場の時期にしたいと思う。
それと高山病の可能性。重度にはならないだろうが、それでも3000m以上という場所を考えれば体調の異常についても可能性を考えておかなければいけないと思う。
武嶺