香港でレンタカー運転に挑戦

(2017/05/06)
香港旅行の際にレンタカーを借りてドライブを行ったのでその顛末記を。
レンタカーはRentalcar.com経由にてマツダのデミオを指定レンタル。
車への思い入れはなかったが、一番安かったという単純な理由で。
日をまたぐと駐車場をどこにするかというのが見えなかったので当日返却とした。
店舗は香港のエアポートエクスプレス、香港駅内のHertzでレンタル。
バウチャーを印刷して持っていこうかと思ったが、予約確定の連絡メールを見るとアプリによるeバウチャーとなっているとの記載だったのでモバイルにRentalcar.comのアプリをインストールしてバウチャーの画面を出して当日持って行った。

レンタル当日
Hertz香港駅店へは中環駅からIFCモール側に歩いていって、香港駅がある建物のL1にあった。


営業時間はこの日は10:00-17:00となっていたので、その時間帯で借りることを予めネットで指定しておいた。
お店に入ると奥から若いお兄さんが出てきて、車を借りるの?みたいな質問をされたので予め携帯に仕込んでおいたアプリからeバウチャーを見せる。すると店側の予約名簿を見比べて、「ああ○○○さんね」みたいな事を言われてレンタルの手続きを始めてくれた。
レンタルの際に必要なのはまずパスポート、日本での免許証、それから国際免許証、そしてクレジットカードである。クレジットカードにはデポジット(保証金)がかけられた(1500香港ドルだったか)。事故も何もなければ返金されるよ、という感じの説明をされて、レンタル契約書にサインをさせられる。
ネットで予約を行ったときはマツダ・デミオと表記されていたが、この日借りたのはトヨタ・カローラだった。デミオクラスということなのだろう。一通り手続きが終わったら、ちょっとまってね、と言われて従業員の方と一緒に車が置いてある地下の駐車場まで案内してくれる。そこでレンタカーを借りる際の儀式とも言える車の状態のチェックを行うことにある。一通りチェックを終えたら返す場所に案内するよ、ということで、従業員の方のナビゲートに従って香港駅タクシー乗り場の辺りまで誘導され、「返す時にはここに車を寄せてからお店のほうに電話をしてね~」と説明されて、ここから独力でのレンタカーの運転が始まった。

借り受けの際の注意点
1・言葉
私は英語がほぼできない。片言の単語レベルがなんとか分かる程度。そして香港では日本語は通じない。当然運転の際にこれは大きな障害になった。まず借り受けの際のレンタカーショップの店員の説明がよくわからないので何度も聞きなおしたり、あるいは分からないままウンウンと頷いたりということがあった。仕方ない部分ではあるが、命にかかわる問題にもなりかねないのである程度の英語は当然分かった方がよい。分からなければ何度も聞くことを恐れず分かるまで聞き直そう。あるいは疑問点や質問などをあらかじめ英語に訳しておいて紙などに書いて持っていくのも良いだろう。

2・地理について(カーナビの問題)
日本から来てレンタカーを借りてみようという人が、香港の地理を車の移動レベルで良く分かっているということは無いだろう。そして香港のような大都市だと道も複雑で一方通行が多く、すぐ近くなのにそこまで行けないということも多い。つまりカーナビゲーションが無いととても不便だ。車の借り受けの際にオプションでカーナビゲーションを付けて、と言ったがカーナビってなんだ?みたいな返答が返ってくる。よくよく話してみると香港はビルが高くて電波が通りにくいからカーナビ設定の車は無い!モバイルのグーグルマップでナビゲートしてくれ、みたいな事を言ってきた。高層ビルで電波が悪いならグーグルマップだって一緒だろ~よとツッコミたかったが、とりあえずカーナビは無し。グーグルマップの目的地へのナビゲートシステムで移動することになった。
携帯の海外データローミングを利用するか、海外用WIFIルーターを予め用意しておいた方が良いだろう。香港は海外パケット定額サービスの範囲に入っているのでWIFIルーターをレンタルしていなくても何とかなるので助かる。

3・ガソリンについて
日本ではガソリンは基本満タンで貸出され、満タンで返す。事前情報では元あったレベルまで入れて返せば良いということだったが、結局は使った分は入れておくということなのでどちらにせよガソリンスタンドを利用することになる。レンタカー屋の店員は湾仔のスタンドで入れてきてね、と話していた。ショップのある中環から湾仔まで結構あるが、その周辺には確かにガソリンスタンドがない。ガソリンスタンドは貴重なので、スタンドの位置、それと併せてスタンドにどのように入るかまで確認しておいた方が後々助かる。

4・携帯
必ず持っていこう。2で書いたようにカーナビにもなるし、車を返す際にショップに電話をするのにも役立つ。それとモバイルバッテリーも。GPS測位をしながらの携帯使用だとバッテリーの消費が相当に早い。車を返すまでにバッテリーがもたないだろう。ショップに電話をする際には当たり前だがショップの電話番号の前に香港の国番号を付けてかけないと繋がらない。

5・オクトパス
香港で電車に乗るのもトラムに乗るのもバスに乗るのも利用できる便利な八達通(オクトパス)チャージ型の電子カードだが、駐車場の支払いにも使うことができる。特に路上にある日本でいうパーキングエリアのような部分への駐停車にはオクトパスしか使用できないので、運転の際には是非持っておきたい。
レンタカーで晴れて運転を開始して、まずはケネディータウンを経由してレパルスベイを横に見ながら通り海洋公園地域に向かった。本当はレパルスベイで降車して写真でも撮りたかったが、駐車場が見つからず断念。

山奥まで迷い込んでからUターンし、赤柱に向かう。途中は完全に山道。山の側面を削って作られた曲がりくねりの道路だが、さすが香港、とにかく交通量が多い。山道にも関わらず対向車も後続車もバシバシ走っており、レンタカー初心者でビビりながら運転している私からするとかなり怖かった。


赤柱でもなかなか駐車場が見つからず。暫く走って赤柱廣場という商業施設の併設駐車場に停めることができた。
スタンレープラザ(赤柱廣場)はスーパーやレストラン、ファーストフード店も入居している大型施設で、たいていのものはここで揃う。
赤柱を暫く散策して(特に見るべきものもなかったが)次に大浪湾を目指す。

ここが香港なのか、と思うような道中の風景。高低差が大きく坂を上ったり下ったりが続く。

途中の道は相当な山奥の感じだが、こんなところまでバスが通っているんだな、と感心する。
大浪湾、英語で書くと「Big Wave Bay」なんだそうだ。一応香港でもサーフィンができるという触れ込みで、確かにビーチ手前の海の家みたいな店舗の軒先にはいくつものサーフボード(SUPもあった)が置いてあった。

駐車場が完備されていて、意外と多くの車が停まっていた。写真は駐車料金支払い機で、オクトパスカードが使える。後払い。

駐車場にはミニバスが停まっていた。筲箕湾駅から出ている。

ビーチ沿いには海の家みたいな商店もいくつかあり、海パンやタオルも揃う。サーフボードもレンタルできるので波があれば入ってみるのもいいかも。

 

この日の波は踝かスネくらい。ロングでギリギリ立てるくらい。レンタカーを使わなくてもミニバスでここまで来ることができるので(本数、時間は気を付けた方が良いだろうが)興味のある方は是非。

大浪湾の風景

サーフボードを抱えてサーフィンに興じる人の姿が散見できる。香港でサーフィンができるのはここくらいらしく、殆どノーサーフな感じに見えるが人はそれなりに居た。

海側から見たところ

この日は雲間から日が覗くような天気だったが、気温は高く海の家の軒先でビールやジュースを飲みゆっくり時を過ごす人も多かった。

どこがBigWaveだ、というツッコミは胸にしまってこの地を後にする。このあとは紫湾方面を経由してから湾仔のガソリンスタンドで給油を行い、中環・香港駅のレンタカー屋に指定された場所まで移動し、レンタカー屋に電話して、取りに来たレンタカー屋に車を引き渡してこの日のレンタカー運転を終了した。返却はちょっと早めの4時前くらい。


海外(香港)のレンタカー運転で気づいた事、思った事
香港の道路事情も絡んでいるだが、合流とかが多い。3車線の真ん中を走っていると両脇が右左折専用となっていて、中央の車線に両側から車が合流してくるとか。こうなると右左を気を付けていないといけないので結構神経をすり減らす。
運転する前は道路標識が日本と違うため不安だったが、走ってみるとそれほど気にはならない。一停や駐停車禁止のマークは見ればだいたい分かるし、一方通行の標識も見れば分かる。道路に書いてある方向に従えば逆走することも無いと思う。
ただ一方通行が多いのですぐ近くなのに思った通り行けないという事は多かった。大通りの交差点だと右折できない事が多いので左折を繰り返して行くということがままにある。
香港の道路標識はこちらからどうぞ(香港運輸局ホームページ)

 
あと駐車場が少ないのでこれは注意。街中だと一時停止すらも難しい場所が多い。狭い路地などは停止すると後続が詰まってしまうので動くしかないのだ。停車禁止の場所は道路の歩道側のところに黄色い線が引いてあるので分かりやすい。また、信号で止まっていると思って他の車の後続につけたら、停車しているだけだったという事もままある。

 
レンタカーを返す際だが車の外観をよく確認された。勝手の分からない外人が来て車を運転していくんだからそりゃ確認も慎重になる。だからこそ借り受けの際の確認もしっかり行っておく必要がある。少しでも傷がある部分があればちゃんと指摘して確認ノートにチェックを入れて貰おう。そうでないと元からあった傷なのに自分が付けたと言われてしまうかもしれない。
途中、移動式オービスで速度計測をしている警察官を見た。取り締まりは頻繁に行われているらしいので速度を含めた交通規則の順守には気を付けた方がよいだろう。

今回短い時間だがレンタカーを借りた感想としては良かったと思う。レンタカーでしか行けないところに行ったというわけではないが(香港はバスが発達しているため、今回寄ったところはすべてバスを駆使すれば行くことができる)途中の風景や経験は自分で運転する車ならではのものだと思う。また、自分のペースで自分の行きたい所に向かうというのはバスではできない事だ。